お宝タイトル探し(5)

水曜日は(隔週で)sakさんの日です!!

「Dの魔王」(小学館・霜月かよ子・1巻~)

昭和13年、大日本帝国陸軍の参謀本部に呼び出しを受けた若き陸軍中尉の佐久間は、隠密に創設されたスパイ養成所・通称『D機関』との連絡係の任務を命じられる。
正義感と国家への忠誠心にあふれる佐久間は、スパイという卑劣な任務をこなすD機関に嫌悪感を隠し切れないでいた。
ある日、スパイ疑惑のあるゴードンの家宅捜査を行ってスパイである証拠を見つけよという任務を命じられる。
その隊長に佐久間が据えられるが、スパイであるという証拠を見つかれられなかった場合は佐久間が腹を切るという条件が結ばれていた事を知り、佐久間の運命はD機関と陸軍によって翻弄されていく。


sakです。

「お宝タイトル探し」という事で、これはと思う初巻本を中心にいろんな作品を取り上げていますが、今回の「Dの魔王」、タイトルの重さに2度手に取ったものの、本棚に戻した経緯があります。

しかし3度手に取った事から、このタイトルには何か惹かれるものがあると感じ、購入する事にしました。

中を見ることなくその本が面白そうかどうか、判断するひとつの材料として、『原作付き』というのがあります。

説明するまでもなく、ストーリー担当と作画担当が別の作品です。
武論尊(史村翔)、小池一夫、梶原一騎(どんどん時代が逆行してますな(苦笑))、最近では、大場つぐみ、城アラキ、長崎尚志といった原作者が有名ですね。

原作付きの作品はストーリーに厚みがあるのが特徴です。
この作品にも、柳広司さんという原作者の方が参加されています。

■柳広司さんとは(Wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E5%BA%83%E5%8F%B8


いやぁ、すばらしい経歴です! 面白くないわけがない。

ストーリーが実にしっかりしているんですよ。
まさに本格ミステリー小説を読んでいるような世界観に引き込まれます。

しかも「このミステリーがすごい!」で2位になった「ジョーカー・ゲーム」という短編小説のコミカライズだそうです。
どうりでストーリーに引き込まれるわけですね。


作画についても嫌いではないです。
きれいな絵で、丁寧に描き込んでいて、キャラも立っています。

しかしまじめな方なんでしょうか、崩せる所が崩しきれていない。
そこがおしい所ですね。

画が原作を動かす事もある。
それが出来る作家さんだと思いますが、今後に期待しましょう。


この作品、いずれドラマ化されてもおかしくない作品です。
非常に面白いドラマになると思います。
チームバチスタとか好きな方にはお勧めですよ(^^)


というわけで私の評価です。

総合評価:B++

寸評:読み応えのある作品。原作に定評があるため、将来映像化される可能性は高い。


sakでした。
〈 written by sak 〉

残念ながらコミック版は画像ナシ。ので、原作とその続編です。
ジョーカー・ゲーム ダブル・ジョーカー

お宝タイトル探し(4)

水曜日は(隔週で)sakさんの日です!!

「13club」(集英社・シヒラ竜也・1巻~)

中東に駐留中の記者・土師(はじ)は、現地で知り合った同じ日本人の千明(ちぎら)がゲリラに捕まり処刑された事を知る。
現場にかけつけた土師に、千明が最後に残した言葉は「妹を守ってくれ」という謎の言葉だった。
千明の遺族に遺品を届ける為に日本に戻った土師は、千明家の門をくぐり、3人の妹たちと対面する。
古い名家である千明家は、新たな後継者を決める際には必ず『ある儀式』を行うという。その儀式の最中、長女が謎の死を遂げる。
一方、千明家の近くに祭られている『オトビキ岩』という遺跡には、昔、祈祷の際に女性が生贄として切り刻まれたという伝説があった。
「妹たちを守ってくれ」という謎の言葉の意味は何なのか。
いにしえの伝説と、千明家をめぐる謎の死の匂いを嗅ぎつけ、闇のサイト『13club(サーティーンクラブ)』の主催者・九段(くだん)が現れる・・・。


sakです。お久しぶりの登場です(^^ゞ

今回は、「13club(サーティーンクラブ)」という作品のご紹介です。
禍々しい感じのタイトルが目を引きました。手に取ると、帯には「怪異系WEBサイト13club。主催者・九段の関わる奇妙な事件とは・・・!?」とあります。
ゾゾゾ・・・!! ときますね。異世界への扉を予感させてくれます。


で、内容ですが、はじめは失敗したなぁ~と思いました(ーー;)

第1話、第2話はオムニバス形式で、「世にも奇妙な物語」的な内容で、主人公の九段は単なる闇サイトの記者な感じでインパクトが薄く、正直つまらん内容でした。

しかし長編ものになる第3話から、いきなりストーリーが重厚になります。
ストーリー協力者として、岬満という方が参加されているようですので、この方が参加された成果なのかもしれません。
上記にある「あらすじ」は、実は第3話の内容で、古い伝説と3姉妹をめぐる謎の死が交錯し、一体誰が犯人なのか、金田一耕助チックな世界観が繰り広げられ、そこに13club主催者・九段が現れ、事件の謎を解き明かす重要でミステリアスなキャラとして生き生きと描かれています。

また、この作品の魅力として、「シヒラ竜也」という作者の画のうまさがあると思います。
私は「画力(えぢから)」と呼んでいるのですが、画力がビンビン伝わってきました。特に、主人公「九段」の眼や表情には、かなり力が入っていると感じます。


ちなみに、「ウルトラジャンプエッグ」ってご存知ですか?

この作品は、「ウルトラジャンプが運営する無料のWEB増刊」に掲載されているマンガの単行本化なんだそうです。
「13club」も無料で読む事ができるんです。現在、第1話と第5話を読む事が出来ます。第5話はまだ単行本化されていない(2009年10月28日時点)作品ですが、オンラインRPGで闇のマネーゲームを行うという話で、これも結構ツボで、単行本化が待ち望まれます。

■ウルトラジャンプエッグ   http://ultrajumpegg.com/


「シヒラ竜也」という作家、要チェックです。
そして、無料WEBマガジン「ウルトラジャンプエッグ」もかなり楽しめます。こちらも要チェックです。


というわけで私の評価です。

総合評価:B+

寸評:このまま3巻以上発売されれば、定番どころのプラスアルファとして、マンガ喫茶に加えてもいただきたい作品。小畑健のような作家で、原作者と組み合わせれば今後、大化けする可能性を感じさせる。


sakでした。
〈 written by sak 〉

13club (1)

お宝タイトル探し(3)

水曜日は(隔週で)sakさんの日です!!

「螺天-BIRTH-」(幻冬舎・山口譲司・全6巻)

それを手に入れた者は、すべての願いがかなうと伝えられる「千獣観音の触手(うで)」をめぐって繰り広げられる人々の業を描く。
無類の強さを誇る高校生、獅王 乢(しおう がい)は日々の日常に飽き飽きしていた。ある日、この世の物ではない魔物と遭遇するが、桁外れの怪力に獅王も成す術がなかった。そのとき、イスルギ山の仏手(千獣観音の触手の別名)の番人である謎の剣士に命を救われる。
下半身に左手を失い、命の灯火が燃え尽きんとする獅王であったが、魔物に寄生していた「千獣観音の触手」の一部が獅王の戦いへの執着心に同調し、奇跡的な回復を遂げる。やがて獅王には底知れぬ力が宿り、その力の源をめぐって究極の権力を手に入れんとする蛾羅間(ガラマ)重工の幹部とその生体研究者たち、新たなイスルギの女剣士に、闇の仕事請け負い人「万魔」の四つ巴の抗争が繰り広げられる。


sakです。


前回、前々回と、第1巻が発売されたばかりの作品のレビューをお送りしましたので、今回は完結している作品のレビューを書かせていただきます。
今回は、「螺天BIRTH(らてんバース)」という幻冬舎コミックの作品です。

「螺天BIRTH」は「BIRTH」という全9巻の作品の続編です。
一言でいえば、「人魚の森」や「火の鳥」のような作品とでも言いましょうか。世界中に伝わるあらゆる伝記は「千獣観音の触手(うで)」が名を変えて伝わっており、その伝説を求めて権力者が争いあうという設定については
これらの名作と同質といえますが、登場人物はあらすじにもある通り、かなりSFです。私はその世界観が大好きで、突拍子もない設定と世界観に最終話まで毎回わくわくしながら楽しませてもらっています。

でもこの作品、うちの社内で勧めたところ「ぼくはグロいのダメなんで」ということで完全否定(T_T)

そうです。グロい場面もあります。エロい場面もあります。
でもね、週刊少年ジャンプとかヤンジャンとかには絶対連載される事はないであろう、ある種「キワモノ」な話が面白いと感じるsakです。

発行部数が多い=読者数が多いという方程式に則って、メジャー誌系タイトルを取り揃えるのも重要なセオリーですが、こういうマイナー系な「不良系」をどれだけ取り揃える事ができるかが
他店より一歩抜きん出たマンガ喫茶として認知されるのではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか。
週刊少年ジャンプで育ったsakなのですが、最近はメジャー誌の作品にほとんど興味を感じず、マイナー誌のコーナーに面白そうなタイトルがゴロゴロしているように感じています。

私の担当は「お宝タイトル探し」がテーマという事もあり、今後もマイナー誌の作品に注目していきます。


BIRTHの話に戻りますが、この作品、主人公が誰かよく分からんのです。
ネタバレになるのであまり多くを語れませんが、主人公と思っていた人間が廃人になったり、今後のキーマンと思っていたのに出番が無かったり・・・。
テーマが壮大すぎて、話が完結しないのです。前作「BIRTH」もそうでした。

話を読み終わった後は、古本屋に売り飛ばしてやる! と強く思ったものですが、結局手放せなくてずっと本棚の肥やしになっていたのですが、続編が出ている(しかも完結してた!)と聞いて、社内で取り寄せてもらいました。
ちなみに、苦労して収集してくれた功労者が「ぼくはグロいのダメなんで」といった人です。
苦労して収集したのに愛着ゼロかよ~(涙) まあ好みの問題ですので仕方ありません。



というわけで、私の評価です。今回は周囲の評価も考慮しています。

総合評価:B-

寸評:好みが分かれるが一部には非常に受ける作品。エロ・グロを含むゆえに映像化する可能性は限りなく低い。広すぎる世界観ゆえに物語が完結していないのが難だが、いつか再び続編(第3弾)を描くのではないかと期待している。

sakでした。
〈 written by sak 〉

>螺天-BIRTH (1) >螺天-BIRTH (3) >螺天-BIRTH (4)
>螺天-BIRTH (5) >螺天-BIRTH (6)

お宝タイトル探し(2)

水曜日は(隔週で)sakさんの日です!!

「ウロボロス 警察ヲ裁クハ我ニアリ(新潮社・神崎裕也・1巻~)

この世で一番大切な人が殺されるのを目撃した少年は、警察に相談するが、金時計を身に着けた謎の刑事により、事件は闇に葬られる。
15年後、少年は「法の番人」警察官になっていた。冴えない風貌だが検挙率トップの実績を誇る。
実績を積み、出世を重ねて組織の上層部に登りつめようとする彼の目的は「警察への復讐」だった。


sakです。

前回の「人間失格」につづき、最近、第1巻が発売されたばかりのレビューをお送りします。
今回は、「ウロボロス~警察ヲ裁クハ我ニアリ~」です。
仮面を付けた警察官たちの表紙が目を引きます。


「ウロボロス」とは「二匹の龍」という意味らしいですね。
警察官の主人公にウラの情報を提供して影で支える二枚目なヤクザがもう一匹の龍というわけです。

この設定を聞くと「サンクチュアリ」を思い出します。

腐った日本を変えるため、ひとりは政治家に、もう一人はヤクザの世界でのし上がっていく物語で、うちの社内でも「バイブル」クラスに位置づけられる作品です。

しかし「ウロボロス」を単純に「サンクチュアリ」と被せないほうがいいように思いました。
あくまでも主人公は警察官を裁くため警察官の道を選んだ主人公で、今のところヤクザ側の話になる雰囲気はなさげですので。


もっと暗い話を想像していましたが、ぜんぜん肩の力を抜いて読めます。
テンポも良く、主人公やそれを取り巻くキャラにも好感を持てます。
話がドロドロしすぎると読み手は疲れてしまいますので、キャラの性格はそらく作者が一番気を使っている部分ではなかろうかと感じました。


個人的な感想ですが、この作品、絶対に映像化されると思います!

非常に面白い作品です。
これから先の話が気になります。第1巻はまだまだ序章に過ぎません。

15年前に謎の警察官によって隠蔽された「ある事件」の手がかりは、謎の刑事が身に付けていた金時計だけで、金時計といえば、一流出身校のエリートで組織された「金時計組」というグループがあるらしいという事だけ。

その真相に近づくためには、どんどん事件を解決して出世し、上層部に近づく必要があるわけで・・・。この先の展開が楽しみです。


ぜひマンガ喫茶のおすすめコーナーに置かれる事をお勧めします。
うちのカミさんもベタ褒めの一品でした!



というわけで私の評価です。

総合評価:A+

寸評:マンガ喫茶に必須のタイトル。将来、映画化されそうな作品。表紙にインパクトがあり、おすすめコーナーに置くと栄える作品。

sakでした。
〈 written by sak 〉

ウロボロス-警察ヲ裁クハ我ニアリ (1)

お宝タイトル探し(1)

sakです。ブログ登場2回目です(^^ゞ

前回、映像化作品の「サマヨイザクラ」のレビューを投稿しました。
これからは隔週ペースで「お宝タイトル探し」というテーマでレビューをお送りする事になりました。
新旧を問わず、これはと思った作品をピックアップしていきたいと思います。

今回、sakが取り上げるのは、太宰治の名作を現代風にアレンジした、コミックバンチ掲載の「人間失格」です。

「人間失格」(新潮社・古屋兎丸・1巻~)

何の苦労もない裕福な家庭に生まれ、
万人に好かれる美少年として育った、大庭葉蔵。
その道化の仮面の下にあったのは人に怯え、
何の目標もなく、流されるままに生きて行く、
虚無の表情だった。そんな彼の送る人生とは・・・。
(紹介文より)

話は、作者の古屋兎丸が、マンガのネタを求めてネットサーフィンをしていて、とあるアルバムにたどり着いた事から始まります。

そのアルバムには、
1枚目に葉蔵6歳と記された裕福な家族写真があり、
2枚目に葉蔵17歳と記された美少年の写真がありました。
しかし3枚目は葉蔵25歳と記された、美少年の面影がまったく無い、廃人のような写真でした。

彼の人生に何が起こったのか。
そんな疑問を投げかけて、彼の17歳から話は始まるわけです。

人に好かれよう、嫌われないようにしようと振舞っているうちに、いつしか人を信じれなくなり、人に怯えるようになる。
そんな人としての弱さが彼を転落の人生へと突き落としていきます。

キャバクラ通い

ホームレス生活

そして、自殺・・・

彼はこの先、どんな人生を送るのでしょうか。2巻が待ち遠しいです。


要所要所に太宰治の「人間失格」の原文が挿入されています。
その文章の1字1句が生々しくて、太宰治という作家の文字の力の凄さを伺わせます。


実はこの作品、
うちのカミさんは、「駄作!」と無星の評価をしました。
非常に重苦しいんですね、話のテーマが。でも私は、その重苦しさに興味を抱いたわけです。

おそらく、太宰治の小説版「人間失格」を読む事はこれから先も無いと思いますので、当作品でその世界観に触れてみてはいかがでしょうか。


というわけで私の評価です。

総合評価:B

寸評:マンガ喫茶に必須のタイトルとは言えないが、独特の世界観を持った人を引き付ける力のある作品なので、おすすめコーナーに置くと栄える作品。


sakでした。
〈 written by sak 〉

人間失格 (1)
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